首都高の下を流れているため、非常に暗く陰鬱な神田川

飯田橋辺りへは、神田川のほとりにあるトッパン本社の印刷博物館へ、グラフィックトライアル2022マインツ・インパルスを見に行った。近くに行くことになった時はちょくちょく覗くが、常設展側へは久しぶりに入る。いつものことながら建物外観に展示案内がないので、入っていいか不安になる。

グラフィックトライアルは初めて見た。P&Pギャラリーへはいつも、現代日本パッケージや世界のブックデザインばかりを見に行っていた。いつも見に行く2つにくらべ、見たことのないようなものばかりで刺激的だ。実際の印刷がどうこうではなく、既存の技術の再評価や再構築、新たな技術の探求という姿勢に刺激を受けるというような意味だ。

マインツ・インパルスは活版印刷文化の保護を訴える活動のようだ。しばらく前に、活版印刷のみで書籍を作っている出版社の話をテレビで見たこともあって、活版印刷への興味が再燃している。まだ伊勢丹新宿店のプリント・スタジオはあるのだろうか? 展示室の隅にちょこんと展示があり、グーテンベルク聖書を初めて見ることになった。もうちょっと活版印刷の成果物があって欲しかった。活動への賛同を求めるのならなおさらだ。

あとは一度見ている常設展をぐるっと回る。北斎の神奈川沖浪裏を色ごとに分解したものを眺めていると、儲けが出ていたことが不思議になる。東京オリンピック(1964)のポスターを見ると幸せな気分になる。常設展はまともに見ると3時間くらいかかる構成だ。僕もまだ3/4くらいしか見ていない。400円と安いことだし、何度かに分けて完走することを勧める。