ブランクーシ 本質を象る

ミニマル・アートにつながる作品を残すことになったブランクーシの展覧会を京橋のアーティゾン美術館まで見に行く。アーティゾン美術館は2回目だ。ブランクーシは名前くらいしか知らなかったが、2年前に見に行ったポンポン展で興味を持ち、主役の展覧会が行われたら見たいと考えていた。ついでに日本橋から新橋まで散歩する。

日本橋の少し手前から歩きたかったので、表参道駅から銀座線で三越前駅に出る。古い路線同士だと階段の上り下りが楽だ。地上に出るまでも近く、スパッと三井美術館のあたりから散歩を始める。

まだ何も開いていない時間で、人通りは少なめだ。コレド室町と三越、三井本館を見つつ日本橋を渡る。日本橋の南西には一本だけ桜があり、10人くらい写真撮影に並んでいる。枝ぶりが絵のような立派な桜で、周囲も含め、整いすぎていてちょっと気持ち悪い。

コレド日本橋、丸善、高島屋と眺めていく。コレド日本橋にLibertyの店舗があるようで、暇な時に行ってみたい。地下駐輪場の入り口のある交差点を渡るとアーティゾン美術館だ。入口のある方を間違えて、ぐるぐるしてしまう。


最後の鳥もゾクゾクするが、転がった首がすごく可愛い。ロダンとモディリアーニを挟んで、徐々に変化していく作風をうまく展開させた展示はさすがだ。写真を除くと20数点と少なく、物足りなさが残る。とはいっても、下のフロアでは石橋コレクションから大量に展示されているので、1800円は惜しいというわけではない。

今回はモネの「黄昏、ヴェネチア」を見れ、ちょっとうれしい。ジョージア・オキーフも久しぶりに見れたり、満足度は高い。始めて行った時も感じたが、欧米の所蔵品中心で展開される美術館として見に行くのが望ましい美術館なのだろう。倉俣史朗のハウ・ハイ・ザ・ムーンや他の椅子に座れることだし、展覧会はおまけでもいい美術館だ。


展覧会のあとはちょっと北に寄り道する。八重洲口を目指して北上すると、東京ミッドタウン八重洲がある。その手前に石川県のアンテナ・ショップがあり、ピカピカの店だと思ったが、どうも開店したばかりのようだ。アンテナ・ショップのロゴはいろいろ工夫が感じられて楽しい。石川県は前田家の家紋に似たものだ。店には入らず、そのままパン屋へ行く。新丸ビルにもあるパン屋で、ちょっと気になっていた。グリュイエールがかかったカンパーニュと、フェタやカシューナッツが入ったねじりパンを昼ごはんに買う。東京ミッドタウン八重洲も外観を眺めるだけで、八重洲口に渡る。

昼ごはんにはまだ早いので、そのままリクルートのビルにできたギャラリーを見に行く。しかし、調べ不足で火曜日が定休日だった。次は間違えないようにしよう。更に線路をくぐって北に抜け、バゲットを買いに行く。そのまま国際フォーラムの中庭で昼ごはんにする。いい加減にざわざわしていて、好きな場所のひとつだ。八重洲で買ったパンはどちらもおいしく、ちょくちょく買いに行きたい。カンパーニュはしっとりむちむちで、食いちぎったらゆっくり戻っていき、口に入れたらすぐおいしい。ねじりパンはギュギュっとしまっており、口の中で噛んでいるとおいしくなってくる。

また銀座方面に戻り、無印良品を上る。無印良品の商品をミッド・センチュリー風に塗りなおした展示はなかなか面白かった。特に買うものはないので、早々に退散する。観光客が多く、通路が狭いので歩きにくい。

続いて松屋銀座に行く。途中にあるApple銀座の改修はまだまだのようだ。松屋7階で鍋敷きやガラスのボウルを探すも気に入ったものは見つからない。青織部っぽい緑色の小ぶりな鉢があり、ちょっと欲しくなる。他にも手ごろな真鍮の香立てや、苔の乗った亀、タコのペン立てがあったりもしたが、必要なわけでもないのでこちらも我慢だ。

そのまま15号沿いに散歩を続ける。Ginza Sixにはマティスのブルーヌードをリトグラフにしたものが売られていた。ヴェルヴの印刷担当の印刷工場のものらしく、12万円くらいとちょっと手が出ない。下で高級な服を見たりしたことあって、このあたりで金銭感覚が失われ、イタリアの食料品店で高いチーズを買ってしまったりする。

その後、Swatchストアを見たり、一時移転しているAppleストアを見たりしながら新橋駅まで散歩し、目標を達成する。さすがに疲れたので、横浜周りでさっさと帰る。最寄駅からは咲き始めた桜を眺めながらゆっくり散歩し、ふわふわしながら家に帰る。