年明けのセールでも見に行こうかと丸の内まで出る。ついでに東京ステーションギャラリーで東北の神像や仏像を扱うみちのく、いとしい仏たちという展覧会へ行く。ちょっと寒いくらいで、よく晴れており、いい冬の日だった。

行きは日比谷から地下をずっと歩いて東京駅まで出る。日比谷ミッドタウンのあたりから行幸通りギャラリーを経由して歩くと、15分くらいはかかる。よどんだ空気で都会を堪能できる空間だ。最後にちょっと迷い、ギャラリー前に出る出口へ至る階段になかなかたどりつけない。丸の内駅前広場の真下にある丸ノ内線の改札内区域が微妙に邪魔だ。


会場の雰囲気と展示物がなじむ、雰囲気の良い展覧会だ。展示物にはわかりやすい観音や、地蔵、天部の像もありつつ、山や水の神像、十王像が加わる。写真のみではあったが、奪衣婆の像を初めて見た。地獄がらみの多さを環境の厳しさと捉えてしまい、東北という土地柄への偏見が助長されてしまう。この展覧会へは、アール・ブリュットやアウトサイダー・アートの脈絡で興味がわき、行く気になった。そういう視点で楽しく見れる。日本の仏教美術や工芸技術というような脈絡での展覧会ではないので、頭を空っぽにして楽しめた。


あとはセールをふらふら覗く。途中、外に出て、東京海上ビルの跡地を眺めたりした。茶色のビルだったような気がするが、もううろ覚えだ。空がぶわっと開けていて、大きなクレーンが映える。そのままApple丸の内を覗いたり、アシックスを覗いたり。丸の内にあるアシックスの店はKAYANO 14を売っているような店ではないようだ。革の黒い手袋は気に入ったが、30000円弱という価格に躊躇い、そっと戻す。

一通り冷やかし終わったら、いつものように美味しいパンを抱えて帰途に就く。駅構内のグランスタもふらふらしようと考えていたが、ものすごい人とキャリーだ。とてもじゃないが歩けない。しょうがないのでセールで何か買う代わりに、Kindleで「リストランテ・パラディーゾ」をまとめ買いし、中央線とロマンスカーで読みながら帰る。2月にACCA連載開始10周年を記念した展覧会があるらしく、ちょっと気になっている。