マティス自由なフォルム

今月は乃木坂の国立新美術館でやっているマティスの展覧会へ行く。2年くらい前に延期になったものだ。去年にも都美で開かれたものを見に行ったが、こちらはニース市マティス美術館が所蔵するものが中心で、ほとんどかぶっていないようだ。マティスは10年くらい見なくても良い、というくらい堪能できる。

美術館の外壁に沿った空中通廊で建物に突入できる
直結通路

新美なので乃木坂だ。いつもは外を回ってぐるっと歩き、正門(的な扉)から入るが、初めて直結の階段から行く。階段とエスカレーターの仕切りが建物の外観と合わせてあったり、ずっと中かと思いきや最後に空中通廊に出たり、凝った作りの直結通路だ。金がある美術館は違う。


副題の「自由なフォルム」という名にふさわしい展示だ。柔らかい曲線がわかりやすい作品が多く、目で追うだけで楽しい。そういった関係で女性を主題にした作品が多く、いろいろ見ていると日本の観音や弁天を思い起こす。人物像の表情があまり豊かではないことも近く感じる理由かもしれない。都美での展覧会に欠けていた「ダンス」関係のものが多かったり、「ジャズ」の全頁が展示されていたり、あまり見られないものがあり、会場の大きさに負けない作品量だ。最後のヴァンス礼拝堂のインスタレーションもよくできている。

ガラスの壁にガラスのルーパーが並んでいるが、一か所だけルーパーが欠けている
国立新美術館・ガラスの外壁

国立新美術館に来るのは久しぶりだ。大きすぎて身の置き場がないといつも感じる。すべてのものが大きめに作られていそうで、意図されたものなのかもしれない。外観を見ているだけだとワクワクしてくるが、中に入った途端に不安を感じる。


ミュージアム・ショップをさらっと眺めた後は、西麻布交差点経由で南青山のパン屋を目指す。いい天気で、車も少なめな月曜日のせいか歩きやすい。パン屋付近の超高級高齢者向けマンションは、植栽も始まっており完成間近だ。分譲な上に、最低でも月額25万円かかるらしい。

パン屋でホットサンドとコーヒーで昼食をとった後は、渋谷まで歩く。ヒカリエの8階で紅茶を買ったり、皿を探したりする。皿は柄と大きさのどちらかしか気に入らず、諦める。そのままスクランブル・スクエアに移動し、春服を眺める。いくつか白いシャツを気に入ったが、財布の紐が固い日のようだ。

服を見終わった後は直通線で一気に帰る。そのまま駅前のレストランで早めの夕飯にする。ワインとビールを美味しく飲みつつ、鴨のローストとピザをパクパク食べる。よく歩いたので、よく食べられた。自宅への帰り道でちょうど日が暮れた。