終わりの向こうへ: 廃墟の美術史。

ようやく暇ができてきたので、松涛美術館へ「終わりの向こうへ」という、廃墟が出てくる絵の展覧会を見に行った。廃墟へ行きたいとか廃墟を探検したいなどという趣味はまったくないが、絵や写真に出てくるそれは好きだし、壊れかけで放置されているものも好きだ。

行きは下北沢駅から歩く。とにかく井の頭線に乗りたくなかった。小田急線の下北沢駅は設計ミスなんじゃないかという疑問が、利用するたびに強まっていく。

井の頭線の南側を歩き、途中、世田谷区の一部で行われている戸別回収の様子を観察する。住んでいる所が来年の9月から生ゴミなどが戸別回収になるので、どうやっているのか知りたかった。代沢は対象らしく、ちょうど燃やせるゴミの曜日だったこともあり、色々見ることができた。

ちらほらとゴミ箱を自前で置いている家もあった。良さそうだが、通行の邪魔になるので置きっぱなしというわけにもいかず、運用が大変そうだ。

このような赤くおしゃれなゴミ箱以外にも様々なゴミ箱の様子が観察できる。
赤いゴミ箱

駒場野公園で北側にも出て、少し戻って日本民藝館も見てみたが、なかなかの人出だ。素通りし、井の頭線に沿って南側をまた歩く。

駒場東大前から少し東へ歩き、北に折れる道へ進むと階段が見つかる。
階段と踏切

階段から即踏切の場所を見つけてうれしい。歩行者専用の踏切という時点でグッとくる。都会の限られた場所にしか存在しないと思う。


松涛美術館の迫力のある屋根が出迎えてくれる。
松涛美術館・正面入り口

2階はまさに廃墟の絵だった。殴ったらアイテムが出てきそう、ダンジョンへの階段がありそう、アンデットが出てきそう、など雑な感想が頭に浮かびつつ楽しめた。地下1階は諸なんとか郎かなとか、池なんとか葵かなといったこれまた雑な感想を浮かべつつ、ラスト・ダンジョンだ! というような奇想の廃墟、未来の廃墟を眺めていく。イメージをゲームやマンガにつなげて楽しめるカジュアルで楽しい展覧会だった。

美術館の建物自体もちょっと見ていた。らせん階段が有機的なフォルムで気にいった。中心に吹き抜けがあり、1階からは通廊が渡されていたり、地下2階には池がある。公開されている時を調べて、見降ろしたり見上げたりしに行きたい。


美術館から渋谷までも歩く。10分もかからずにBunkamuraに出られた。向かいにあるパン屋に寄ったら、おいしそうなレモンのタルトが売っており、つい買ってしまった。高いし、溶けるので、他はフラフラせずに新宿へ出て帰った。1つ720円もするタルトを食べてしまったので、3日くらい反芻したい。