この定期リリースでは、グリッドやフレックスボックスなどのスキマに置く装飾を柔軟に定義するためのGap Decorations、カスタム関数を定義するためのFunctions and Mixins、これら2つが追加される。追加のためマイナー番号が上がり、v2.8.0だ。最近は追加が多い。いつの間にやら追加したCSS仕様も120を超えている。

Gapsはブラウザー・ベンダーからの提案が元になる。名前からも分かるようにスキマを装飾するものだ。つまり今まで項目への装飾に限られていたことに由来する、スタイル指定が冗長になりがちな問題(最後の項目だけスタイルを変える、または:not()セレクターで最後の項目だけ除外するなど)や、折り返しにうまく対応できない問題などが解決する。余白を装飾するという概念がとても西洋的だなと思うが、便利にはなりそうだ。

Mixinsは増え続けるCSS関数の決定版という格好だ。引数を使って、値を返す。ただしSassのミックスインのように複数のCSS定義(プロパティーと値の組)を返したりはできない。上流のカスタム・プロパティーが関数内で読めたりするので、JavaScriptなどプログラミング言語よりもあやふやで危険な点は気を付けたい。名前付け問題が発生しやすいとも言えるので、リンターが重要そうだ。似たようなCSS関数をDRYにしたり、複雑になりがちなCSS関数(グラデーションなど)を隠蔽するような、ショートカット的な利用が主になるだろう。