
長い休館を経て、2024年に再開した畠山美術館の開館記念展に行く。11月くらいに行ったが、うっかり展示入れ替えの休業日だったため、門に足利二つ匹の家紋が大きく描かれていたところしか見ていない。主に庭が目当てだが、歩き回れるだろうか。
展覧会は松平治郷(不昧公)の収集物や書画がほとんどだ。それなりに楽しいが、展示数が少ないこともあり、建物や窓からの景色に目を奪われてしまう。掛軸の表具について、ちょっと書かれているところは良い。赤楽茶碗や伊賀花入が出ていた展覧会の時に行くべきだったと思うくらい、あまり記憶に残らない。

一方で庭は狭いながらも高低差をうまく使ったものだ。狭いといっても肥後細川庭園や五島美術館と比べてなので、そこそこ歩きではある。相当手直しされているようだが、大きな木が多いこともあって狭さはあまり感じない。美術館前には樹齢300年の樹皮に迫力がある立派なクロマツがあったり、さすがは薩摩藩主の隠居場所だ。門から美術館まで少しあるので、ゆっくり歩けるところも良い。無意味に3周くらい回ってしまう。調子に乗ったのか、ごつごつして歩きづらいところで足をぐねる。
ミュージアム・ショップでは色々な工夫を感じる。作家ものだがそれほど高価ではない陶磁器を並べていたり、茶道具もちらほら置いていたりする。買うかと言われると困る。新館にあるカフェもなかなか混んでいる。周辺が完全な住宅地で、付近に飲食店が少ないことだし、便利に利用する人も多いようだ。