谷川俊太郎も死んだことだし、スイミーなどの絵本を書いたレオ・レオーニの展覧会を見に行く。家には「あおくんときいろちゃん」があったように思う。遠そうでなかなか行く気になれなかった板橋区立美術館へも行ける。
絵本は最晩年に描き始めたらしく、それまではグラフィック・デザイナーとして活動していたようだ。それに沿ってイタリアやアメリカでの商業広告の作品がずらずら並ぶ。どのポスターも欲しくなるし、タンタン風のコミックもかなり欲しい。その過程で交流のあった、ブルーノ・ムナーリや、エリック・カール、アレクサンダー・カルダーの作品が挟まる。カルダーはちょっと意外のような気もしたが、「あおくん~」を考えるとそうでもないと思い直す。
最終的には幻想的な異形の植物の線画にも行きついたり、振れ幅がすごい。最後に絵本が並ぶことも含め、お腹いっぱいの盛り沢山だ。一人の人物を扱った展覧会とはとても思えない。感動がこみ上げてくるような展覧会ではないが、最初から最後まで楽しく見ていられる。
ポストカードでも買おうとしたら、ミュージアム・ショップを閉めていた。何かあったんだろう。建物は改修されたもののようだが、黒い桟とガラス張りの壁が調和していて、なかなかかっこいい。中も明るく現代的で、レオ・レオーニ展はとても見やすい。これがジャパンディではないか。一方で、多く収蔵する狩野派の展覧会ができるようにはとても思えないので、機会があったら見に来てみたい。
美術館へは西高島平駅からが一番近いようだが、そこまでが遠い。皇居の東を通る都営三田線経由なら乗り換えなしで行けるが、2時間以上かかる。さすがにダルそうなので、運賃も安く済みそうな副都心線を使って地下鉄成増駅まで出ることにする。代々木上原駅と明治神宮前駅で乗り換えるくらいで済みそうだ。新百合ヶ丘駅辺りからさいたま駅あたりまで南北につなぐ路線があればな、とちょくちょく思う。
明治神宮前駅では清瀬行の急行に乗る。清瀬行と言われてもよくわからない。成増に行きたい場合は小竹向原駅で乗り換えるらしい。Qシートの車両で座席がゆったりだ。この電車はそのまま乗っていくと、西部有楽町線という路線に乗り入れ、練馬から西武池袋線に入るらしい。東急新横浜線みたいなものか。地下鉄成増駅まで1時間30分かかった。ちょっとした旅行だ。
本数の少ない区立美術館前まで行くバスが15分後くらいだったので、駅周辺をフラフラしてトイレを探す。10時前だったこともあり、なかなか見つからない。ようやく西友の隅に見つけ、急いでバスに乗る。
展覧会の後は少し歩いたところからバスに乗り、成増駅に戻る。近くにある東京大仏を見に行くことを忘れる。お腹が減っていて早く駅前に戻りたかった。うどんの気分だったため、駅のうどん屋ですする。家では稲庭うどんばかりなので、太いうどんは新鮮だ。
地下鉄成増駅から新宿三丁目駅に向かう。各駅停車で30分もかからず、成増は都会だ。さすがは23区だ。新宿ではキラキラしている伊勢丹を覗く。まぶしすぎる。腹ごなしに散歩もかねてアルタの方へ行ったり、そこから戻ってイケアに行ったりする。アークテリクスの新しい路面店は、11月30日からのようだ。
そのまま西口まで出て、ヨドバシカメラで目覚まし時計を探す。スマフォで起きるのが嫌になりつつあるので、ジリジリ鳴る目覚まし時計を探している。実用的すぎるか、おしゃれすぎるかの2択で、なかなか気に入らない。諦めて他の探し物へ移り、購入しておく。
地下街を通り、ニュウマンまで戻ってパンを買い、帰宅する。ちょうどロマンスカーの時間だったので、久しぶりにゆったり帰る。最後に地元でケーキを買い、帰宅する。プラリネとチョコレート・クリームが層になっていて、上にカラメリゼしたヘーゼル・ナッツがかかっている。3日くらい思い出せるくらいおいしい。