
パティ・スミスのインスタレーションを見に、東京都現代美術館まで行く。パティ・スミス世代ではないが、なんとなくそのカバーは多く聞いて生きてきた。1000 Maniacsによるカバーがその最たるもので、たまに見ている。そんなこんなでパティ・スミス自体には興味があるし、横尾忠則による肖像画を見て以降はもっと興味を持ってきた。
8つの映像作品と、いくつかのオブジェや、イラスト、コラージュが並ぶ展覧会だ。映像作品はプロジェクターで投影されている。一番奥側には唯一日本語字幕のみが流れるスクリーンがあり、そこが混みがちだ。こういったインスタレーションは、内容の方向性さえ認識していれば良いと思うので、蛇足のようにも感じた。讃岐石のオブジェは見た目もすごいが、その成り立ちとタイトルを合わせて鑑賞するとわかりやすく美しい。
良い音響空間でパティ・スミスの声に浸れることはまずないと思われるので、そういう点では堪能できる。全体的に体験は素晴らしかったが、無言館訪問の2日後という個人的な事情により、気が滅入ってしまうことに。気分が明るい日に行くべきだったとは感じる。

美術館の建物は、内観に迫力がある。ありすぎてちょっと引く。国立新美術館と似た迫力だが、直線的で落ち着かない。外観になると落ち着きを見せる。前庭や正面入り口があまり大きな空間を取っていないので、どかっと鎮座している印象が薄れるのかもしれない。特に公園側は控えめで、少し掘り下げた空間があったりと工夫を感じ、南入口には是非回ってみて欲しい。