初心者のことを考えよう

Translation of: Think of the Beginners

デザイナーであるところの我々は、自身のプロダクトと距離を置かなすぎるという失敗を繰り返しています。あるプロダクトの開発に長い間従事していると、その複雑さやややこしさを深く理解するようになるため、我々は必ずその領域における熟練者となってしまうのです。そしてその熟練度に最適な形で操作性や手順を作ることにより、その知識をデザインに反映させるようになります。そういった操作性や手順は、意図せず我々開発者とユーザーが同じ程度プロダクトに精通していることを求めることになるのです。彼らもまた熟練者である、と。

時に一歩下がり、初心者の目を通して我々のプロダクトを見つめなおすことは必須と言えるでしょう。ある人がそのプロダクトへの登録を終え、最初にそのUIを見た時に理解できますか? 誰かに説明してもらう必要があったりしませんか? 彼らの反応は「あーこうすればいいんだな」ですか? 「おいおい、いったいこいつはどうやったら動くんだ?」ではないですか?

一歩下がる必要がある時を見分ける確かなしるしはいくつかあります。自身のデザインを詳しく解説するため、ツールチップやヘルプを大量に追加することに多くを費やしている、ということに気づいた時などはその一例でしょう。僕はデザインの過程においていつも少し寝かせることにより、自分の作ったものを見直し、初心者のような疑問を投げかけることにしています。まったく新しいこの機能へは、ユーザーはどうやって辿り着くのだろうか? どのような状況で? 今までこの機能を使ったことがない場合、その彼らにもうまく使えるものだろうか? 少し混乱させそうな入力欄であるけども、これがどうしても必要であることを素早く簡単に説明できているだろうか? 手順を完了したあとどうすれば良いだろうか? どこから終了させるのか、理解できるだろうか? いつものように、悪魔は細部に潜んでいるのです。

デザイナーの義務として、決定したユーザー・エクスペリエンス上の選択を継続して反映させる必要があります。賢くなり過ぎず、幅広い層の需要を満たすように選択し、ユーザーが我々と同じようにプロダクトについて知っているなどとは決して思わず、親切で丁寧なホストであるように自らを律することが責務になるでしょう。