ベンダー拡張プリフィックスはそれそのものがWebを破壊することはないし、ベンダー独自のプロパティーや関数が数万追加されて使われまくったとしても本当はWebは壊れない。またその文法が変更されても修正または追加すれば対応できるし、その余裕は十分にある。つまり壊れるのはほとんど全てのケースで開発者の怠慢に過ぎないので、ちゃんと仕様と実装を理解して必要ならば寝る間を惜しんで修正作業に血眼になるべき。みたいな実践を伴わない意識を僕は持っている。

なので憂うべきこの現状は、IE6が拡散して残り続けたことと同じようにベンダー側ではなくWeb開発者側に非があると思っている。

Web開発者たちがこう心がけるだけで良いんじゃないか。ベンダー拡張プリフィックスに変わる新しい何かとかはそれにより起こる混乱を考えるとぞっとする。

ただそれらベンダー拡張プリフィックス付きのプロパティー(や関数)の実装について、W3Cの仕様書並みにきちんと文書化されてないか見つけにくいことが多いので、多くの場合はコピペで他のプリフィックスに書き換えて動くことを神に祈るしかないような気もする。コピペは常に悪だが、そうせざるを得ない程ドキュメントが足りない。MSDNやApple Developerの検索はゴミだし、Operaはどこを見れば良いのかまるでわからない。MDNは大体において素晴らしいけど、問題になるWebKitの独自実装についてはさすがに弱く、現状においては後手に回っている。課題はここらへんにあって、拡張方法の仕組み云々にあるのではないんじゃないか。

まぁ確かにもうちょっと破綻しにくい拡張方法はあっても良いような気もするけど、そういったものがやることを今なら中間言語(SassLESS)やツール(ModernizrPrefix Free)で安全に補完する(polyfillする)こともさほど難しくないと思う。やはりベンダー側のドキュメントの充実と到達性の確保がMove the Web Forwardのためには必要なんじゃないかと。