Webの世界は独自拡張だらけなのでそのことについて積極的に知る必要はある。けどそれについて個人的に使い方とかを具体的に書くことはリスクでしか無い。どうやって使うものかとかは大体ベンダー側がドキュメント化していて、それは変更があったら修正されるので、それにリンクを張れば良い。修正することのないであろうブログ等で具体的に書くのは意味がないを通り越して害悪になりうる。Twitterとか流れて忘れられるメディアなら良いけど。
例えば::-moz-placeholder
とか::-webkit-input-placeholder
とかいう便利な代物がある。プレースホルダー文字列のスタイルを指定するための擬似なんとかだ。便利というか場合によっては必携に近いので、これについて書きたい気持ちはわかるんだけど、どういうものかということならともかく使い方をWebに流すのは害悪にしかならない。まず間違いなくどちらかが変わることになるだろうし、そもそもこの擬似なんとかはクラスなのか要素なのかすら流動的なので、将来的にこれに当てたスタイルがどう適用されるか想像することすらできない。
更にこのセレクターについてはルールセットを分けて書くべき理由についてまでちゃんと書いてやる必要があるにも拘らず、ほとんど誰も書かない。せいぜい「分けて書かないとうまく動きませんでした」とかだ。ベンダー独自拡張は足並みが揃っていないので、ちょっとした違いや独特の挙動が、標準仕様に基づいたものなのか単なる実装ミスなのか判断つきにくい。そういう点でもフワッとした感じであいまいに書かざるを得なくなる。その結果として公式のドキュメントにミスリードしかねないあいまいな文章を付け加えた記事が出来上がることになるだろう。
標準仕様とそれに基づいたプリフィックス付きについてのみ書けというわけではなく、独自拡張について書くならそのドキュメントやそれについてのIssueトラッカー等を参照して、将来的にどうなりそうかをちゃんと想像して書きましょうとかそういうブーメランの話。