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勘違いすること

人は経験から物事を反射的に認識する。それは察することができるというよりも、勘違いしてしまうことといえる。最近のウェブやモバイルでは様々な新しいGUIが日々発明、公開、そして批判されている。それらがわかりやすいかどうかや社会的な認知が広まっているかなどには意味はなく、結果として正解にたどり着けるかどうかが重要だ。

ハンバーガー・ボタンを例にしてみよう。ウェブ開発の世界にいる人ならば、このボタンを押すとナビゲーションが出てくると知っているだろう。しかしそうでない普通の人たちはどうだろうか。あの3つの横線がアイコンであり、それを押すとナビゲーションが出てくると正確に認知していることはあまりない。だがそういう人たちもハンバーガー・ボタンを押し、ナビゲーションを出すことはほとんど問題なくできる。

ただしそのためにはいくつかの条件はある。左上隅や右上隅に独立してハンバーガー・ボタンが存在することやタブのような一般的と言えるGUIウィジェットが他に存在しないことなどがそうだ。対してナビゲーションであることを明示するには必要とされる「メニュー」といったラベルはあまり重要な条件ではない。

人はとりあえず試してみる生き物なので、ウェブサイトのどこか別のページを開きたいと考えた時、必ずどこかをクリックしようとする。ヘッダーやフッターの項目ひとつひとつを精査する前に、また「多分これだろう」となる前に、反射でクリックするということだ。ハンバーガー・ボタンが何なのかを知らなくても独立した妙な何かがあれば勘違いすると言いかえても良い。ページに続きがありそうかそうでないかに関わらず、とりあえずスクロールしてみるという人が多いことを思うとわかりやすいかもしれない。

多様なデバイスでアクセスされることを想定して、ユーザーが察することができるように何か(例えばOSの標準GUIやメジャーなアプリのUI)に寄せた実装を重視する必要性は高い。それと同時にこのような勘違いを使ってうまくユーザーを誘導するということも考えなくてはならない。何かしらの手がかりをコンポーネントとして用意し、それを理解できなくとも勘違いはしやすいようにレイアウトすることというと近いだろうか。


もちろんこの話はビジュアル・デザインにおける話だ。ハンバーガー・ボタンのようなナビゲーションを出すためのボタンへラベルを付ける事には別の意味がある。そこはCSSやWAI-ARIAでの実装の話になる。