The Original 2023.3.3–2023.6.25

暖かくなってきて、動きが機敏になりつつある。今月は六本木の21_21 Design Sightへ「The Original」を見に行く。紹介される製品群そのものはもちろん、「部屋のように再現したインスタレーションの中で紹介」という点が面白そうで、発表時から楽しみにしていた。

21_21は火曜定休なので、月曜日に行く。家を出る時はまだ雨がパラついており、そこそこ肌寒い。昼頃には暖かくなってくるようなので、セーターに春コートで強行した。駅に着くころには雨も止み、晴れ間も見えてきた。

コンクリート作りの四角いトンネル内は1mおきに煌々と照明で照らされている
乃木坂トンネル

乃木坂では完全に晴れる。開場まではまだ少しあり、周辺をぐるぐる歩く。雨上がりの少しひんやりとした空気で心地良い。アジサイの葉が開き始めていることに気づき、春を感じる。


「部屋のように再現」は2部屋だけで拍子抜けだ。テキストを減らして、もうちょっと展示で色々やって欲しい。とはいうものの、ヤマカワ・ラタンのハンキング・エッグ・チェアや、大量のLEGOの4x2ブロック(しかも赤青黄白だけ)、VanMoofの自転車が並んでいるだけで楽しいことも確かだ。何種類もあった椅子とゴミ箱は、永遠に作り続けられるのだろう。また、家で使っているスツールが展示されており、ちょっといい気分になる。

セシリア・マンツとインゲヤード・ローマンのものがちょくちょくあり、好みでうれしいものの、そういったものが多すぎる。プロダクト・デザインの一部しか反映されていないような印象だ。ここ100年ほどの間に作られた「オリジナル」となると単純な造形のものに偏りがちなのかもしれず、展覧会の主題を考えるとしょうがないのかもしれない。

雨上がりで少し濡れているコンクリートの中庭に、同じ灰色のラウンジ・チェアが3つ置かれている
Loop Chair

感想としては「目の毒」だ。ほとんどの製品が近くのどこかで買えるので、帰りに探して買いたくなる。耐用年数を考えると、そこそこ手が届く額でもあるので、余計に悩ましい。ミュージアム・ショップに1000 Design Classicsが売っていたが、重いのでやはりやめる。次に街中で遭遇したら買うことにしよう。


六本木交差点から飯倉の方へ進むと、古い方のタワーが見えてくる
赤いタワー

そういえばキックボードを見ない。あまり便利ではないのか。東京タワーの方へ歩き、AXISの雑貨屋へ行く。クリステルのウッド・ハンドルが売っている。白いメラミンのハンドルが気に入っていないので、かなり欲しくなる。2階では理想的なトート・バッグを見つけたが、エナメルっぽさのある表情で悩む。ペンギンやシロクマの折り紙を見ながら悩み続けるが、結局どちらも買わずに店を出る。

南青山のパン屋まで歩く。調子が出てきたのか、20分ちょっとで着く。パン屋の場所をようやく覚え、曲がる道を間違えなかった。今回はサワードウと、アップル・チャイ、シナモン・レーズンにした。シナモン・レーズンは、手でちぎろうとすると、むにゅーと伸びて、ぷちぷちとゆっくり離れていく。グルテン!

レンガのタイルで覆われた壁面が、太陽に照らされて明るく輝いている
レンガ壁

今日は雑貨屋巡りと決めていたので、骨董通りを進み、Found MUJIに行く。見たかったせいろは並んでいなかった。店の人に聞くほどでもない。無印良品の店員は、客と区別がつかないので話しかけづらい。

次はスパイラルへ行く。1階でポーランドの陶器のポップアップ・ショップが行われているようだ。少し前に世界ふれあい街歩きの寄り道コーナーで取り上げられたところだと思う。半工業製品特有のゆれがあり、見ていると楽しい。上の雑貨屋では、スエードのほたて貝っぽい形をしたトレーが気に入る。

あとは原宿駅前のIKEAまでふらふら店を覗きながら歩く。最初に高いものを見すぎたので、あまり散財せずに済む。途中、Aesopでボディ・ソープを買ったことが唯一だ。展覧会でAesopのパッケージも展示されていた。あとは家に帰ってからポチったりしないよう祈るだけだ。