アプリの設定への導線

アプリの、特にソーシャル・アプリでは、その設定へのアクセス方法はある程度集約されているように感じた。Twitterアプリのようにプロフィールにあるか、Facebookアプリのようにグローバル・メニューに組み込まれているかのどちらかだ。

ソーシャル・アプリでは、不特定多数のアクティビティがメインにあり、これに特別にピックアップされるものが加わる。通知や特定の人達とのやりとり(ダイレクト・メッセージなど)がそれだ。iOSではグローバルにアクセスできるツールバーのアイコンは大抵4から5なので、これでほとんど埋まる。そのためツールバーに設定アイコンがダイレクトに設置されることは、ソーシャル・アプリではあまりない。

そこでどのように設定にアクセスさせるかということになる。

プロフィール

Twitterアプリではツールバーの右端にあるアカウントからアクセスできるプロフィールで、歯車アイコンを選択すると設定へのアクセスが含まれるポップアップ・メニューが開かれる。少し遠いが、これには主にタイムラインという不特定多数のアクティビティの閲覧を想定していて、アプリの設定を含めた個人的な要素をプロフィールに集約させているのだろう。

同様にプロフィールを一旦プロフィールにアクセスさせ、設定へはそこからアクセスさせるものとしては以下のものが挙げられる:

グローバル・メニュー

Facebookアプリでは、ツールバーの右端の三本線アイコンでグローバル・メニューにアクセスでき、そこから様々な要素にアクセスできるようになっている。つまり本来ならツールバーに入れたいが、空間的な制約で収まらなかったものが全て入っているメニューだ。アプリの設定がそのメニューにあるのは自然だろう。

同様にメニューに設定があるものとしては以下のものが挙げられる:


ユーザー学習的な観点だと、グローバル・メニューに組み込む方が素直な実装とは言えるだろう。しかしデスクトップ・アプリケーションのようにある程度カテゴリ分けできるわけではないので、メニューは長くなりやすく、それを止める術は少ない。そしてその術の多くも欠点を持つ。例えば多段メニューはアクセス性が大きく下げるだろう。

モバイル・アプリではその制約上、全てを解決する魔法はなさそうだ。つまり、ユーザビリティやユーザー学習の観点ではなく、そのアプリの目的を考慮して、設定への導線を設計した方が一貫性のあるアプリに仕上がるのではないだろうか。Twitterのような閲覧に偏りやすいものならば、設定を含めた個人的な事柄をプロフィールに集約させた方が効率的だ。Facebookのような交流が主な目的なものならば、設定をプロフィールなどと同等に捉え、それらと対等なレベルに配置する方が素直だろう。


HBFavの設定にどうやってたどり着くのかしばらくわからなかったことから、以上のようなことを考えていた。ドロワー・メニューの単なるヘッダーでタップできるようには見えなかったユーザー名で設定が開くとは思わなかった。設定を探した時、まず最初は「アプリについて」を選択して見つけられず、次に「ブックマーク」を開き見つけられず、という感じだった。

閲覧に偏るアプリであるHBFavの場合、この記事でのちょっとした調査の結果から僕が導き出した結論に従うと、ユーザー名をクリックするとブックマークやフォローしている人数などを表示するプロフィールを開くようにし、そこに歯車アイコンなどで設定を開けるようにする、ということになる。HBFavをソーシャル・アプリではなく、特殊なビューワー・アプリとして捉えると、また結論も変わってくるけれども。