北方謙三の草莽枯れ行くをほとんど一気読みしてました。そのうち読もうと思ってはいたのですが、なかなか文庫本を見つけられず忘れかけていたところ、一昨日にひょいっと見つけて購入。北方謙三初の幕末小説だった気がする。ちょうど読み終えたところですが、岩倉具視がスーパー悪役(しかも陰湿)で良い感じでした。

主人公はあまり定まっていない感じですが、基本的には清水の次郎長親分みたいです。サブの主役級に赤報隊の相良総三。悪役には岩倉具視と西郷隆盛。西郷が悪役っぽい感じで描写されているのは結構珍しい気がします。西郷と敵対する立場にある新選組が主役に据えられている小説でも滅多に無いですしね。

南北朝モノなどとは違って、大規模な合戦の様子や北方謙三特有の忍者系が出て来ないので、どっちかっていうとハードボイルド小説の時代軸が古い奴みたいな感じでしたね。そっちの方も何気に好きなので、私的には問題無しですが、破軍の星的なモノを北方謙三の時代小説に求めている人にはちょっとマイナスなのかも。逆に「時代小説とか葉はほとんど読まないけどハードボイルドは大好き」みたいな人には結構いけるんじゃないかなとか。

500Pオーバーの文庫本は持ちにくいのでやめて欲しいなとか。

追記

裏表紙を読んだら、主人公は相良総三みたいな感じで書かれてました。そうなのか。