10年ぶりくらいに江戸川乱歩を読み返している。名作は色々あるし、「えっ?」みたいな後味の悪い作品もあったりして楽しい。でもやっぱり黒蜥蜴なのかなと思う。
最初に黒蜥蜴を読んだのは子供向けにダイジェストになってて裸踊りとかないバージョンのやつだったと思う。小学校の図書館かなんかにあった。それなりに面白かったけど黒蜥蜴自体がさっぱりしたキャラだったためそんなに印象に残らなかった。「人のすり替えすごい!」くらいな感想で、トリックものの良作という感想だったと思う。
その後中学生になってダイジェストじゃないものを読んで、すごい興奮した記憶がある。黒蜥蜴のキャラがかっこよくて、単なるトリックものじゃないものだとわかり、すごく面白かった。探偵小説というよりは冒険小説に近い感じで、ルパン的な面白さ。
映像化された作品は特に見てない。
エロやグロ描写のある小説を子供向けにダイジェスト化したものには二種類あったような気がする。エラリー・クイーンのエジプト十字架の謎は最初の殺人だけで終わって、裁判時にクイーンが「犯人はお前だ!」みたいな霊感解決してた。後に原作読んで「えっ?」みたいな感じになったのを覚えている。黒蜥蜴と逆パターンでグロテスクな部分のみ抜き出された感じのダイジェストだった。