亡くなった父親の蔵書をものすごい勢いで消費している。専門書が多くちょっと読みづらいが、あまり読んだことのないジャンルの本が多くそこそこ面白く読ませてもらっている(読み飛ばしている)。その中でも岩波文庫で出ている「歴史」は良かった。結構読むのに時間がかかるかなと思ったが、中巻まで耐えたら一気に読めた。

中学と高校の世界史の授業では4大文明から始まって、ギリシャに注力という感じだったと思う。同時期の中近東についてはほとんど記憶にない。それ以前のヒッタイトは記憶にあるが、リュディアやメディアのことがまったく思い出せない。中途半端に予備知識がなかったので、かえって新鮮で良かった。

小学生の時に星座にハマったことがあるので、そういう点でも楽しめた。いわゆるギリシャ神話のネタばらしのような、そうでもないような混沌とした感じが面白い。当時としては科学的なヘロトドスの目線で解剖されてゆく神と神託、そして神話の解釈は、もう現代では不可能な感覚の文章で、うらやましいなと感じた。


「ヒストリエ読んでる」「あーあのマンガ面白いよね!」「いやヘロトドスの方」「……へー」っていう会話ができたので満足した。