およそ一年半ぶりのザンス新刊「ナーダ王女の憂鬱」が1か月ほど前に出ていました。相変わらず邦題は独自な感じ。原題はDemon's Don't Dream (多分、作品内で登場するゲームが3Dのゲームであることとかけているっぽい)なので、ちょっとアレすぎ。むやみに王道ファンタジー的な題名なのもいただけない。ストーリー自体は前作に比べてダジャレ多め、シリアス少なめというザンス・シリーズの王道系。
今回の主役級はザンス・シリーズの中で露出(肌の露出も)が多い割にはキャラが立ってないとかいうナーダとこちらもまた謎キャラのジェニーの二人、彼女たちに加えてマンダニアから男女二人。思わせぶりに初めの方でメトリアの名前が出てきたのに、実際にはかなり終わりの方になるまで出てこなかったのはつまらない(しかも数ページしか出番が・・・)。ここ数作の中では間違いなくトップ・クラスの存在感を持っていた彼女(または彼)なのに。他の登場人物では、以前の作品で主役を勤めたこともある野蛮な某氏が奥さんと友人、そしてその奥さんと子供と一緒に再登場。かなり物騒な登場ですが・・・。丈夫なので良いらしい。
全般的なストーリーは弱めのお話で「次に期待」とか。個人的には翻訳済みのシリーズの中では一番つまらないような。活躍するキャラはサミー。オールマイティな性能を誇る彼の持ち味が遺憾なく発揮されています。猫最強(というかズルイ)。
ザンスのかなり多くの地域を移動することとその他の地域にも話の筋で触れられることからか、巻頭にザンス全域の地図付き。北の村とかなかったことにされてる気がする。要素の領域の成り立ちなんかは意外な(というか強引な)ネタ。南の方の湖に住んでいる人たちの歴史なんかも意外な感じ。というかルーグナ王は移住の波に伴う戦争で死んだのか。
次は一年半後かー。そろそろ本気でペーパーバック版を読むことを考えようかなとか。翻訳は今回のこれで16作目ですが、29作目まで出たりしてるし。てか、翻訳より執筆ペースの方が速いとかいう。頑張れ、山田順子。