古今和歌集を愛でる(五島美術館)

簡素な平屋建ての建物が玉砂利に続いて建っている

二子玉川へ行く用事がある。ついでに近くの五島美術館に行き、「古今和歌集を愛でる」という展覧会を見に行く。どちらかというと庭園を見に行ってみたい。

先月の半ばに開通した相鉄線の新路線に乗ってみる。新横浜駅への乗り入れが注目されているが、僕にとっては二子玉川駅などへ乗り換え1回で行けるようになることも大きい。大井町線には自由が丘駅か大岡山駅で乗り換えと、なかなか大回りだが、乗り換えが減るので、所要時間は10分多いくらいで済む。地下の大岡山駅で乗り換え、上野毛駅までちょうど1時間だ。

大井町線の上にかかる陸橋からまっすぐ見ると、ちょうど富士山が見える
富士見橋

開館まで少し時間があったので散歩する。環八通りを避けてぐるっと回り、駒沢通りに出たら、多摩美術大学の方を通る。大学や美術館のあたりから多摩川へ向けて、急激に低くなるようだ。北西に徒歩30分ほどのところにある静嘉堂文庫と似ている。晴れていて富士山がばっちり見えた。


展覧会は古いものから新しいものの順で並んでいる。日本における美意識の変遷を確認できると同時に、変化しない部分も見えてくる。同じような構図でも墨の濃淡ではなく変体仮名を使うことで密度に変化を与えている点が印象深かった。楽しんだものの、やはり照明を抑える必要があるため、かなり見づらい。また、ガラスの継ぎ目と作品がかぶっているところも多々あり、気が散ってしまう。もうちょっとガラスと作品の間を近づけてくれれば違うように思う。

庭園中ほどにある少しだけ開けた場所には小さな石像があり、木漏れ日がその顔にかかっている
五島美術館・庭園

庭園は丘の上から下まであり、正面口付近では下を走っていた大井町線を、裏口では見上げるようになる。そのため庭園内はかなり下るようになっており、ちょっとした山登り気分を味わえる。開けているところは少なく、森の中を縫うように進むあたりも、山登り感を加速させる。革靴だったので、何度か足を捻りそうになった。


庭園出口で仮免実習の事故を見る。下りながら曲がる道で単独事故を起こしたようだ。そのまま二子玉川まで歩く。アクタスや蔦屋家電まで3分くらいで、意外に近い。庭園が広いとも言い換えられる。蔦屋家電ではビンテージの食器や布が大量に売っていた。経堂の雑貨屋が出店しているらしい。ちょうど欲しいくらいのサイズだった長皿は3万円弱で手が出ない。

高島屋もフラフラしつつ、昼ご飯はオクシモロンにした。随分前に屋上ではなくなったようだ。あの立地は好きだったので、少し残念に感じる。QRコードからウェブで注文はできるが、支払いはできない仕組みだった。決済システムに制限がかかるテナント営業の限界なのかもしれない。

線路と線路の間に駅の出口があり、踏切に挟まれている
九品仏駅

昼ご飯の後、用事をこなし、もう一度大井町線に乗って、九品仏駅の近くにあるパン屋へ向かう。駅の出口が踏切の間にあって衝撃だ。肝心のパン屋は臨時休業だったため、他のパン屋を探し、ライ麦パンとバゲットを手に入れた。美味しそうな香りで、しっかりした普通のパンだった。近所にあったらちょくちょく行きたいくらい美味しい。

そのまま歩いて自由が丘駅に向かう。途中、ムーンスターの直営店があった。銀座は閉めて、こちらだけになっているらしい。靴ばかりがすらっと並んでおり壮観だ。特に靴が欲しい期ではないので、ざっと眺めてすぐに出る。隣のイデーや付近の雑貨屋も覗いたが、蔦屋家電で見た食器や布に後ろ髪を引かれたまま、そのまま駅へ向かう。自由が丘駅周辺はごみごみしている。

自由が丘駅では湘南台行を、日吉駅では海老名行を見た。どれに乗ると早く着くのかよくわからない。元住吉駅で通過待ちを避けようと、東横線で日吉駅まで行き、西谷駅まで湘南台行に乗り、そこから特急に乗り換えて帰宅する。武蔵小杉駅で乗り換えた方が早かったりするパターンもありそうで、急いでいる時は混乱しそうだ。