池を中心に丘の上へ向けて様々な樹木がきれいに植栽されている

目白台にある肥後細川庭園永青文庫に行ってきた。どちらかというと庭園が主眼で、永青文庫はついでだ。ちょうどいい気温で、散歩日和かつ庭園日和だった。

庭園へは、​目白駅からバスが一番効率的なようだった。なんとなく山手線に乗りたくなかったので、千代田線、副都心線と乗り換えて行った。副都心線では北参道駅で人がずいぶんと降りていた。何のためにあるのか疑問に思っていた駅だったが、思ったよりも需要があるらしい。

見んかと神田川の間には緑に囲まれ歩きやすそうな歩道が続いている
神田川沿いの歩道

雑司が谷駅に出て、おおよそ南東に向かってウロウロする。地下鉄の出口から外に出ると、両脇が民家で新鮮だ。辺りでは都電やローソン+ポプラなど、普段あまり目にしないものも見れる。気付くとまた神田川沿いを歩いていた。この辺りは緑が多く、かなり気持ちがいい。


庭園は想像の倍くらい広く、3倍くらい気持ちがいい。晴れてくれていたら4倍だったと思う。11月半ばくらいになるとはっきりと紅葉しそうな気配があり、その頃にはもっと良さそうだ。かなり高低差もあるので、散歩にはもってこい。横に住みたくなる。

木々に囲まれた石のくぐり門の先に、白壁に緑の屋根が葺かれた和風な洋館がひっそりと建っている
永青文庫

永青文庫は戦前の建物と思い込んでいたが、戦後すぐのものらしい。それでも「和風洋館」という雰囲気で、外も中もすごい。ふわっと置いてあった時計に「ルクルト」と書いてあったり、世界の違いも感じる。残念ながら中では撮影禁止だ。

展覧会は漆芸コレクションだ。前期の目玉は、国宝の時雨螺鈿鞍と、修復が完了した観音猿鶴だ。前者の国宝も迫力があるが、横山大観と、下村観山、竹内栖鳳の合作である後者の印象が強すぎて、あまり覚えていない。他、蒔絵や、螺鈿、堆朱など、幅広い漆器が、時代や産地別に展示されている。堆朱はあまり好きではないが、堆黒が好きっぽいことがわかった。最後の印籠コーナーでは根付込みで展示されており、雉か何かの鳥の根付がかわいかった。


丹念に石をくみ上げて作られた階段で庭園の丘を登っていく
庭園内の階段

展覧会後は、庭園をもう少しぶらぶらした。ここでもナラ枯れの被害は深刻なようで、何本も薬剤処理されていた。中央の池付近では、和装の男女が撮影されていた。女性は白無垢のような和服だったので、結婚記念だろうか。すぐ近くに椿山荘もあることだし、撮影にはちょうどいい場所なのだろう。

早稲田大学から早大通りを少し東に行くと、装飾過多だが印象的なマンションがある
ドラード和世陀

庭園からも更に南東へ歩いていく。神田川を渡り、新目白通り、早大通りと経て、少し東に出たところで、外苑東通りにたどり着く。外苑東通りの北の端は新目白通りだということを学んだ。さすがに歩き疲れてきたので、草間彌生美術館の向かいあたりでバスで新宿に向かう。この辺りで南北に移動しようとすると、バス以外になさそうだ。

新宿では久しぶりにじっくりと洋服を見て回った。良さそうなコートをいくつか見つけたが、どれもコート貯金を少し超えていたので、もう少し考える。外出用の靴下を新調したり、へたれてきたTシャツを買い直したり、そこそこ散財した。お土産は毎年恒例のすやの栗きんとんだ。相変わらず美味しい。伊勢丹や高島屋の地下食料品売り場はすれ違うことが難しいくらいに混雑おり、景気が良い。