9月末で終わってしまう「かわるかたち」というアール・ブリュットの展覧会を見に、渋谷へ行った。先月に行く予定だったが、暑くて嫌になり、日延べしていた。巡回展となっており、練馬区美術館や府中市美術館でも行われるが、どちらも会期が短く、かつ込みそうな展覧会(練馬はモネ、府中はモリス)の終了間際なので、渋谷で行っておきたかった。
鉛筆、アクリル絵の具、サインペン、クレヨン、色鉛筆、刺繍や、チラシとセロテープなど、あまり展覧会では見ないもので制作された作品が多かった。会場の制限からか30前後の作品数に終わっていたのが残念だ。その中でも色鉛筆でぐるぐると線だけを描いた絵は印象的だった。むらのない線をぐるぐる描くとああなるとは想像できず、同時に色鉛筆の面白さも再確認できる。
会場は、勤労福祉会館という公共施設の一部をギャラリーにしたもののようで、見るべきところはない。かといって展覧会の会場として不適切かと言うとそうでもなく、古いビルの気配に包まれ、雰囲気は悪くない。ウェブページやパンフレットで使われている画像、建物の外観にあるポスター(上掲画像)も良かったが、会場前にあるパネルも良かった。それぞれ慎重に模様を組み合わせて配置されているように見える。