座って試せるスツール60の展示。

府中の森公園の一角にある府中市美術館でやっていたフィンランド・デザイン展に行ってきた。ちょうど椅子を買おうかというところで、Artekのも良いななどと考えていたので渡りに船だった。

この季節は特徴的な匂いがするいちょう並木。

小田急沿線なので、府中市美術館の最寄り駅である京王線の府中や東府中へは微妙にアクセスが悪い。橋本経由か永山経由か登戸経由かだが、どれも時間はかかるし乗り換えが2回以上必要になる。あまり考えたくなかったので、素直に登戸で南武線に乗り換え、分倍河原で京王線に乗り換えることにした。

面倒だが特に難しくはない……とおもいきや、まんまと準特急なる謎の存在にのってしまい調布まで行った。調布は上りと下りで階が違うという珍しい構造の駅で、これまた間違えて違う線に乗りそうになったが、何回も確認して確実に各駅停車に乗った。

なんとかたどり着いた東府中からは歩いた。駅から北に少し行くといちょう並木で、それが府中の森公園までずっと続いていく。歩道も広く歩きやすい。10時過ぎだというのに途中の店が全然開いておらず、少し不安になったものの、公園まで10分くらいサクサクと歩いて行ける。

公園の横は防衛庁の施設があるのでアレだが、公園の中からは見えない。メインの道以外は自由に出入りできる林と芝生で、そこそこ晴れ始めたこともあって気持ちよかった。美術館も、一番手前にあった芸術劇場の建物も良く、色々と雰囲気が心地よい。こういうところがあることだけでも、住むには良さそうな町だ。


芝生の広場は平らな木陰からゆるやかな丘につながる。

展覧会は商業的な面をあえて見せる形で、IittalaドーンArtekバーンMarimekkoジャーンというものだ。好みなのもあるが、企業が前面に出ていてもうっとおしさはなかった。Marimekkoの布が天井近くからズラーっと並んでいるのは楽しい。Iittalaのビンテージと現行品を並べてあるのも購買意欲が刺激され、まんまとしてやられた。途中のムーミンにはあまり興味はないので飛ばしたが、同時にFinnairを始めとしたフィンランド企業の昔のポスターが並べられており、それらは色使いや文字使いがとても良かった。持って帰りたかった。最後に現役のデザイナーの作品(そこかしこで売っているBlockなど)が展示されており、フィンランド・デザインのこれからを見せてくれる。

アルヴァ・アールトのレリーフを始め触りたいものが多く、触れないのはちょっともどかしい。入り口に並べられた椅子に座って我慢するしかない。勉強になるとか感動するとかとは無縁だが、行って楽しくなる類いの良い展覧会だった。


電車を間違えたりして、細かく乗り換えるのに嫌気がさしたため、帰りは武蔵小金井までバスで出て、新宿経由で帰った。昼の空いてるロマンスカーは最高だ。