複雑なフォーム

ここ数か月はネットストアをよく使っているし、後学のために開業したてのネットストアをよく見ている。いろいろとフォームをぽちぽち埋めていると、複雑なフォームでちょくちょく問題が起きる。「ふりがな」と書いてあったのでひらがなで入力したら、カタカナを要求されたのは、まだかわいい方だ。住所で「戸建てなどマンション名がない場合は『なし』と入力してください」というのを初めて見た。

作りたてでなくても、ひどいものはある。今まで入力してきたフォームで一番ひどいと思ったのは、メールアドレスの入力フォームが@で分割されているものだ。数年前にHPのネットストアでパソコンを購入しようとした時に遭遇した。今はどうかなと開いてみたが、リニューアルしていたけど、ここは変わらなかったので、まんまと負債になったんだと思う。

フォームでは、ユーザーが混乱しない明快さと、OSやブラウザーの自動入力や補完などが扱える汎用性を確保することが不可欠になる。「大切」とか「ユーザー目線」どころではなく不可欠なのは、これら明快さや汎用性がないと、システムが受け取るデータの信頼性が著しく下がるからだ。信頼性が低いから、厳しい検証が必要になり、要件が厳しく定義され、複雑なフォームに仕上がる。そして、その複雑さは、いずれ負債になる。

複雑なフォームが使われがちなネットストアでは、フォームそのものを回避する手段も今はある。例えばAmazon Payを採用すると、決済がどうこうだけでなく、フォームのほとんどが不要になり、ユーザーの入力作業が大幅に減る。また、クレジットカード番号だけでなく、住所や電話番号、メールアドレスも、Amazonで確認されている。明快さや汎用性、信頼性は、かなりのレベルで達成できるだろう。

普通に使えるようにフォームを作るのは、それほど難しくない。でも、要件や検証に振り回されて、思ってもみない形になってしまうこと、そしてそれに気づかないこと、または目をつぶってしまうことが多い。その結果として提供される複雑なフォームは、ユーザーだけでなく、未来の自分や後継者を苦しめるだろう。フォームそのもののの回避を含めて、慎重に実装を進めてほしいし、僕たちには進める義務がある。