少し開けたアプローチのある灰色のビルに、茶色で太く縁取りされた博物館の入り口があり、その脇には展覧会の巨大な縦長のポスターが掛けられている

新宿の行ったことがない博物館を覗きに行く。新宿駅の方から甲州街道を少し西へ歩いたところにある文化学園服飾博物館だ。雨模様で気温もぐっと下がり、無限に歩けそうな気がする。

展覧会の一部屋めは全世界のビーズを使った洋服や装身具が並べられている。全世界共通で染め糸とビーズを組み合わせて立体的な模様を作り出しているようだ。竹のビーズで出来たTシャツのような下着があり、こういうものもビーズかと驚く。メロンの種もビーズにしていて、それを小さな花形にまとめてからつなげてネックレスになっていた。二部屋目は近現代の商業におけるビーズの展示で、洗濯しにくそうだなという感想に終わる。

服飾博物館は外観や展示室に見るべきものはないが、展示室前にいくつか名作椅子が置いてある。円形クッションを並べたマシュマロ・ソファや、長い背もたれのヒル・ハウス・チェア、格子と縦縞を組み合わせたウィロー・チェアに座れる。スリング・チェアもあるらしいが、見逃してしまったようだ。


文化学園からは更に西のパーク・ハイアットを抜け、公園を北上し、都庁の間を通って新宿駅に戻る。小田急百貨店は跡形もない。ロータリーの上に更にロータリーができているような気がするが、今まで見えなかったものが見えるようになっただけだろうか。それとも工事車両の乗り入れ用に仮設したのだろうか。

東西自由通路を使って駅を越え、紀伊國屋書店へ寄る。ハンマースホイの解説付き画集を眺めていたら欲しくなったので買う。新宿本店には、最近よく買っている東京美術の本が揃っているようだ。そこら辺の喫茶店でサンドイッチを食べながら読んでいたら、面白くて読み切ってしまう。やはり2020年のハンマースホイの展覧会には万難を排して行くべきだった。

昼食後は伊勢丹を通り、目の保養をする。そのまま靖国通りへ抜け、大回りしてアクタスへ寄り、御苑の横を通って高島屋へ。高いものを見すぎて頭が痛くなってくる。お土産を買いつつ、小田急線の改札口にようやくたどり着いた。ミロードもなくなるようなので、用もないのにぐるぐる回ってから、電車に乗る。途中で少し雨に降られたが、良い散歩の日に出来た。ついに最寄り駅でも設置されたホームドアを鑑賞しつつ、最後に家まで歩く。