元々「静的なファイルは限界までキャッシュしろ!」というような金言はそれほど重要視していなかった。The changing role of the browser cacheという記事では、開きっぱなしにされるタブと継続的デプロイをキーワードに、ブラウザー・キャッシュの役割が変化していることを解説している。

ブラウザー・キャッシュが再訪問に対して威力を発揮するのに対し、開きっぱなしにされるタブでは再訪問されることはなく、継続的デプロイされるアプリケーションではその効果は限定的なものにしかなりえない、という意見だ。納得の出来る意見ではある。

僕が元々こういった長期間のキャッシュに疑問を持っていたのも少し似ている。特に継続的デプロイの元では限定的な効果になることは自明だと考えていた。またいわゆる普通のウェブページにおいては再訪問という行為そのものが随分前から死滅したとも考えている。具体的にはソーシャル・ブックマークの普及後、一時的な消費に偏るようになってからそうなったと思っている。

一方で長期化のデメリットは迅速にキャッシュの更新が行き渡らないという点で明白だ。もちろんキャッシュをリフレッシュする、というか別に配信するテクニックがあり、それを採用するわけだけど、なんというか美しくない。デプロイされる間隔に対して適切なキャッシュ期限を試行錯誤する方が真っ当なんじゃないかという思いが強い。

ウェブのコンポーネント化が進むであろう今後は更に迅速なキャッシュの更新が求められるわけで、ブラウザー・キャッシュの長期化は忌避されていくようになるのかもしれない。


今年から読み始めたPerformance Calendarは過去ログもそれなりに面白そうなので、年末年始に読んでみようと思う。