OSにインストールされているフォントやWebフォントとしての利用がライセンスに言及されていないフォントから、例えばたった1つのグリフのみを抜き出してサブセット化したものはWebフォントとして利用して良いのか? フォントの改変と再配布にはなりうると思うのでだいたいライセンスや使用許諾条項に違反することになるとは思う。でも明らかに「フォント」としての一般的な機能に欠けたものにサブセット化した場合は使わせて欲しいよね。というわがまま。

つまりラスタライズした場合と同等とみなせるかどうかという話なわけだけど、どうなんだろう。たった1つのグリフのみを抜き出したようなケースでは明らかにフォントとしての機能が失われ、スケーラブルな形での単純な利用に過ぎないのでOKな気がしないでもないけど、線を引くのがすごく難しいためまとめてNGとみなされてもおかしくはない。

SVGでどうぞー

「SVGでパスにしちゃえばいいんじゃないの?」みたいな考えもある。だいたいそれで機能すると思うんだけど、text-shadowプロパティーが使えなくなくなるのは痛い。いやパスにシャドウつけられるし……というのもその通りだけど、拡大・縮小されるとそのシャドウも拡大・縮小されてしまうので、text-shadowプロパティーのように常に1pxのシャドウというようなことはできない。僕のSVG力はまだまだなのでもしかしたらできるのかもしれないけど、少なくともtext-shadowプロパティーの手軽さと慣れには敵わないと思われる。

加えてSVGとその実装特有の拡大・縮小時にキレイにならないことがかなりの確率で起きるという問題もある。Webフォントだとその辺りの細かな調整はフォントそのものとOS(やブラウザー)が良しなにしてくれるのでかなり、多分まず逆転できないほど優位にある。


ラスタライズのみでの利用から、埋め込みフォントとしての利用への拡大が完了しつつあるけど、その次のサブセット化の扱いやOpenType featuresの扱いなんかが不透明でまとめてNGみたいになっている現状はちょっとだけ残念。たまにサブセット化が許容されないライセンスでWebフォント版を販売しているケースとかもあって、やっぱりまだまだなのかなーという。

技術は進んでもそれを取り巻く環境や意識が進歩してない。