1行が長すぎても短すぎても読みにくいのは誰もが経験から知っている。欧米では1行あたり45から75文字が最適と言われていることが多い(50%のleadingとして)。グリフの平均が0.5emと仮定して計算すると22.5から37.5emということになる。読み物系のウェブサイトでは30em前後がよく見られ、その説を支持する人は多いようだ。

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この段落は45文字目と75文字目にアスタリスクを挿入してある。ウェブサイト上では、幅の広い日本語を意識してフォントをVerdanaにし、禁則処理を無効にしてあるので、アスタリスクが行をまたいでいればOKということになるわけだけど……。

そもそもウェブ横書きの日本語の文章において、45から75文字という1行の文字数が妥当なのかどうかというのがはっきりしない気がする。行間が広めに取られることもあって、感覚的には60から90文字くらいなんじゃないかと思っている。

WCAG 2.0

Width is no more than 80 characters or glyphs (40 if CJK).

WCAG 2.0では80文字より多いと重大な障壁になりうるとされている。適合レベルはAAA。もちろんこれはリーダビリティーに関する話ではないけれども、このことも含め40em前後から様々な点で文書の閲覧に問題が起こりやすくなるということが、少なくとも言えるようだ。


技術書のタイプグラフィーはあてにならないという偏見を持っているので、本屋で算数の教科書や横書きのオシャレ雑誌を立ち読みして文字数を数えてこようと思う。