鍋島焼—二百年の軌跡—

松濤にある戸栗美術館へ鍋島焼の展覧会を見に行った。6月半ばに行く予定だったが、帯状疱疹になってしまったので、この日になった。暑かった。

展示物は丸い皿が多いが、収集者の趣味なのか、変形のものも多くあった。八角の猪口や、角皿から三角に飛び出したもの、三角のもの、など。色が少なく、特徴的な技法によるものか淡い。そのため「絵皿!」という感じが弱めで、普通に欲しくなる。図案も幾何学的な文様を非対称に配置したものがちらほらあり、現代でも十分に通用しそうだ。30cmくらいの皿に、10cmくらいの青や白の矢車草文が散らされたものは本当に欲しい。白磁だけでなく、青磁もあり、派手な伊万里焼も入れると100個の展示で見ごたえがある。

日本庭園に砲身が転がっている
戸栗美術館の庭

庭は立入禁止で残念だ。隣のマンションと共用になっているためらしい。住めば入れるということだろうか。

花柄の
トイレのドアノブ

扉などの取手が陶製で面白い。復興された鍋島焼というわけではないと思うが、ちょっとしたこだわりだ。建物の外観は目立つものではないが、周囲の家が大きすぎて目立たないだけかもしれない。2階の展示室へ向かう階段が外壁に沿ってゆるやかに湾曲していたり、狭いながらも印象的な建物だった。