一週間JavaScript無効で過ごしたけどすごく良かったという記事を読んだ。大雑把な感想を言うとするとそりゃそうだろと言えるような内容であり、特に面白みはない。しかし広告に特に触れずにFSFと絡めて説明するのは比較的珍しかったので、興味深くはあった。

この種の問題にはプライバシーということがとかく強調されるが、対価が見合っているかいないかという側面も持つ。適切な対価があるのならプライバシーに属する情報を提供しても良いと考える人は少なからずいるだろう。僕は比較的そういう傾向が強い。

例えばこのウェブサイトであるならば、Analytics経由で提供することになるデータはコンテンツの提供に対してそれなりに見合っているはずだ(よね?)。ただしAdSenseとなると広告配信者が一方的に得をしていると考えられ、僕もユーザーも少し損をしていると見ることもできる(けれど外すつもりはあまりない)。

対価以外にも問題はある。プライバシーに属する情報をどこまで提供するかに選択肢がなく、一方的な提案に対して受け入れるか否かという二択を迫られる点だ。ただ柔軟な選択肢を提供するのは現実的ではない。そうなると情報を得る側が己を律して必要最小限に留めるか、多くのデータを得たいならばそれなりの対価(金銭的なものだけではない)を提供することに帰結することになる。

このウェブサイトでは更新の頻度と質という対価をAdSenseを使うことに対して提供しているつもりだ。見合っているかどうかは個々が判断することなので何とも言えないが、僕の中では許容範囲ということになっている。


JavaScriptが無効であることを想定したウェブページ制作についての記事はこれから徐々に、そして来年に入ってからは急速に増えるだろう。が、それほどウケが良さそうでもないので、哲学的で抽象的な記事も多くなりそうだ。楽しみにしたい。

僕はどちらかというとうまいことしてやればいいだけなんじゃないのかというイメージをまだ持っていて、モバイル・ファーストみたいな嘘と虚飾に塗れた仕組みを取り除いたプログレッシブ・エンハンスメントについてもう一度ちゃんと書かれると良いなと考えている。